にんにく卵黄パワー／アリシン

アリシン

ニンニクといえば、あの強烈なにおいが特徴的です。「このにおいがたまらなく好き」という人もいれば、「苦手で近づくのもイヤだ！」という人もいます。でも、ニンニクのパワーは、あのにおいに効力を持つ成分が含まれているのです。その成分が、「アリシン」です。

アリシンの薬効の中で一番早く発見されたのは、殺菌・抗菌作用です。その作用は強力で、12万倍に薄めた液でもコレラ菌やチフス菌、赤痢菌などに対する抗菌力を示すと言われています。これは、アリシンが細菌の中に入ってたんぱく質を分解して、そのはたらきを抑えてしまうためだと考えられているのです。これらの働きがもたらす効用は以下の通りです。

アリシンの効果

● 風邪の細菌やインフルエンザのウィルスに作用して、予防できる
● 腸内の悪玉細菌の活動を抑えて、腸の働きを正常化する
● 第一次世界大戦では、戦傷兵が壊疽（えそ）※になるのを防ぐために外用薬としても使われた

※壊疽（えそ）：血行障害で、壊死（死んでしまった）に陥った組織（皮膚など）が腐敗性変化を起こして、茶色や黒色に変色した状態の事

肝臓での脂肪代謝を高めて、脂肪燃焼をアップ
ねぎやにんにくに含まれる特有のニオイの成分で、この刺激にでアドレナリンの分泌を促して、脂肪酸分解酵素リパーゼが活性化されて脂肪の燃焼を行います。糖質代謝に必要なビタミンB1の吸収作用の維持力を高めて、血液の循環を良くし糖質代謝も促進します。

アリシンの効能

アリシン+ビタミンB1＝アリチアミン

ご飯やパンなどの炭水化物がブドウ糖に変わって、エネルギー源になることを糖代謝と言って、糖代謝を助けるのがビタミンB1です。ビタミンB1は体内の吸収率が極めて低いという欠点がありますが、アリシンとビタミンB1が結びつくとアリチアミンというビタミンB1と同じ働きをする物質になって、活性持続型ビタミンと呼ばれるものにかわります。アリチアミンは吸収率も１００％に近くなって、血液中に保存されるので必要に応じて使用されます。

強精・強壮、疲労回復

にんにくに含まれているアミノ酸のリジンは精液に多く含まれている物質で、アリチアミンが神経組織を刺激して、精力を高めるアセルコリンの分泌を促し、精液の量を増やして精子の活動を活発にします。アリチアミンは普通のビタミンB1よりも吸収力や、貯蔵力が優れ、スタミナ増強、疲労回復に抜群の効果を発揮します。また、アリシンはホルモン分泌を盛んにする作用があって、女性の更年期障害に優れた効果もあります。

老化防止と美容

にんにくのアリシンは脂質と結合して、脂質アリシンとなって、ビタミンEと同じ働きをします。ビタミンEは血管内の老廃物を取り除き血液を綺麗にして、赤血球を増やして、血管自体を若々しく保つ働きがあって、若返りのビタミンと呼ばれています。よって、細胞の老化防止、肌を美しくしてくれる効果も大きいのです。

ホメオスターシスの向上

アリシン、アリチアミンは脳の中枢神経や手足の末梢神経を正常に働かせて精神を安定させる効果があります。また、血行をよくして、身体を温めてくれる効果もあります。体温、血圧など体の生理機能を一定に保とうとする機能であるホメオスターシスが向上します。この機能を維持、強化することで病気になりにくくなって、病気になったとしても回復が早くなります。